musical hearts 7
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7. 矢野顕子「Home Girl Journey」
2001/02/09
あっこちゃん(て呼んでいいのかな?)のCDは、昔中古で「PIANO NIGHTLY」というアルバムを試しに買ってみて聴いたのですが、当時の私にはたいへん衝撃的でした。CMか何かで、ピアノ弾き語りっていうイメージがあったんだけど、まさか純粋にピアノと声だけでアルバムが出来ているとは思わなかったから。クラシック・ジャズ・流行りのヒーリングなど、そういうジャンルだったら、ピアノと声だけなんてたくさんありますが、普通に邦楽のコーナーに並んでいるCDの中で・・・と考えると、珍しいんじゃないでしょうか。しかも、このふにゃふにゃなボーカルは・・・(笑)。最初はちょっと抵抗あったけど、今では気持ち良くてしょうがないです。ヘタウマっぽいというか、表情豊かというか。
で、2枚目にチャレンジしてみたわけですが、「峠のわが家」というアルバム。旦那さん(坂本教授)が参加してたりするので、面白そうかなと思ってこれにしたんです。ところがこれは、全然曲風が違って、ハマリはしなかったけど、へー昔はこんなんだったんだーって関心しました。このころは、あの独特のふにゃふにゃ感はそれほど感じなかったですね。3枚目に買ったのは「OUI OUI」。中古屋回ってて、なんか聴いたことあるタイトル、と思って買いました。これもまた、今までのものとは違ってポップな感じでした。あったかいクリームシチューを食べよ〜♪という曲が入ってて、3枚目購入にしてようやく聴いた事ある曲が入っていました。
最近、4枚目に購入したのが「Home Girl Journey」。去年CD屋で見かけて、その時はいろいろ買うものがあったので保留していたのですが、どうもピアノ弾き語りっぽいので、気になっていて、やっぱり買ってしまいました。聴いてみたら、「PIANO NIGHTLY」同様、ピアノと声だけでした。やっぱり私は、あっこちゃんはこのスタイルが良い!と思いますね。いろんなアーティストが参加しています。参加してるのか、カバーなのか、よく分からんところもあるけど(汗)山下達郎、大貫妙子、谷川俊太郎、忌野清志郎、槙原教之、サエキけんぞう、奥田民生など。「会いたい気持ち」は大貫妙子Pで、元気がよくてあか抜けた曲、「雷が鳴る前に」はマッキーらしいし、「ニットキャップマン」は糸井重里作詞、物語風の歌詞で、最後にキーマンが死んでしまうのだけれど、そのオチが歌われたあとのピアノの後奏(?前奏の反対)が、なぜか明るいメロディなのに涙を誘うんです。悲壮感を飛び越えて、大切な人を亡くしたけれど、振り向かず、良い思い出にしようという前向きな気持ちが、このメロディに出ているように思うのです。
それからやっぱり、このふにゃふにゃボーカルですか。最初、これは天然でこういう歌い方の人なのか、それとも故意にこういう歌い方なのか、すごく疑問だったんですが、やっぱりこれは故意ですよ。よーく聴いていると、アクセントの付け方が歌詞とマッチしているし、歌詞の行間までも伝わってくるんですよね。こんなに声に心が乗っている歌い手さんは、そうそう居ないと思います。単に心の中が現れてるだけじゃなくて、声自体に心があるような。そんな声を聴いていると、普段は歌詞が右の耳から左の耳へ筒抜けの私でも、歌詞が引っかかりやすいんですよ。マッキーってこんな歌詞書くんだっけ?なんって思っちゃったし(笑)。こういう系統の声っていうと、さねよしいさ子さんとか、しのら(はちょっと違うかな?)とか居ますけど、伴奏がピアノだけっていう点で、直接伝わりやすいのはあっこちゃんが一番かも。
てことで、矢野顕子「Home Girl Journey」。おすすめよん。
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